小川町(埼玉県)
東京の下町に住んでいると、埼玉県西部は日帰りには遠く、泊まりがけでいくのも中途半端に感じられて、なかなか足を運びにくい場所である。それでも、古い家並みがあるという話を聞いて出かけてみた。
木造の味わい深い商家が並んでいたのは、駅から南へ300mほど歩いたところで突き当たる国道254号線である。秩父へ向かう秩父往還として栄えたとのことで、旅館も残っていた。
秩父往還は、相生町交差点で国道は分かれ、県道11号線として東秩父村を経て秩父市に向かう。ほんの一部を歩いただけだが、昔の味わいを残す趣ある道である。
1990年6月撮影
Ogawamachi Town,Saitama Prefecture
キャプションの数字は撮影地点の緯度、経度、撮影方向(真北が0°で時計回り)

老舗「女郎うなぎ福助」の駐車場。古い旅館を流用した店舗も一見の価値あり。この変わった名前は、店の創始者が、吉原の女郎の実家に伝わっていたたれを分けてもらってはじめたことに由来するという。
36.055234, 139.260716
60°
1990/06

国道254号線・県道30号線の小川町入口交差点。この道は旧秩父往還と呼ばれ、沿道には古い建物が数多く残っていた。2021年現在もまだ見ることができる。
36.054793, 139.260845
180°
1990/06

紙を扱う町田商店は、2021年も健在。「町田紙」というのが見える。
36.054654, 139.260738
225°
1990/06

国道を西へ移動。商家づくりの今屋紙店。
36.054538, 139.260352
165°
1990/06

石垣の前で作業をする人。手前は蓮か里芋の葉のように見えるが。
36.054481, 139.260474
60°
1990/06

萬屋旅館。このときはまだ営業していたが、1999年に廃業したとのこと。
36.054157, 139.259576
165°
1990/06

萬屋の東隣にあった玉井屋酒店。建物は2021年も残っているが、営業はしていない。
36.054195, 139.259625
150°
1990/06

相生町交差点を西側から見たところ。写真奥から来た国道254号線・県道30号線はここで写真の左側に曲がる。旧秩父往還はそのまま手前に直進して、現在では県道11号線となっている。
36.053972, 139.258824
75°
1990/06

相生町交差点から西へ300mほどのところに、晴雲酒造醸造蔵元(玉井屋)がある。当時はびっしりと蔦に覆われていた。
36.053534, 139.256093
300°
1990/06

晴雲酒造。煉瓦造りの立派な煙突は、その後、途中で切られて短くなっているが現存している。
36.053527, 139.256010
345°
1990/06

晴雲酒造と道路をはさんだ向かいにあった建物。板壁が見事。すでに取り壊されて、現在は駐車場になっている。
36.053503, 139.255811
330°
1990/06

玉井屋酒店から旧秩父往還(県道11号線)をさらに50mほど西へ進んだあたりの民家。狭い坂道の両側に板壁の立派な家が並んでいた。2021年現在は、右側の家が残っている。
36.053318, 139.254803
330°
1990/06
2022年2月公開
Copyright © Takashi FUTAMURA