野上(和歌山県)
紀勢本線の海南駅の東側にある日方駅を起点として、東に向かって走っているのが1994年に廃止された野上電気鉄道だった。
沿線の主要な町が野上町であり、その中心部にあたる動木(とどろき)地区には、国道370号線の旧道が貫いていた。この道には、高野西街道という通称が付けられ、沿道には味わい深い商家が並んでいた。高野西街道という名前は、この道が高野山への参詣路の1つであることにちなんでおり、観光振興のために付けられたもののようだ。類似する歴史的な街道「西高野街道」との関連はない。
野上町は2006年1月1日に同じ海草郡の美里町と合併し、紀美野町となっている。
1993年9月撮影
Nogami, Kimino Town, Wakayama Prefecture
キャプションの数字は撮影地点の緯度、経度、撮影方向(真北が0°で時計回り)
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野上町の中心は動木(とどろき)地区にあった。その動木地区を東西に高野西街道が貫いている。道沿いには趣深い木造の商家や民家が建ち並んでいた。2019年の写真では、中央奥の堂々とした家が姿を消している。
34.166152, 135.304801
270°
1993/09(★2019/05)

上の写真から20mほど西へ直進したところにあった木造の商家。もう営業していなかったのか、看板の「中西商店」という文字がかろうじて読める。正面には、酒、醤油、酢の銘柄を書いたホーローの看板がいくつも掲げられている。2019年には健在だったが、その後2021年までに取り壊されたようだ。
34.166123, 135.304540
315°
1993/09(★2019/05)

上の写真から20mほど進み、振り返ったところ。左には、上の写真の「中西商店」が写っている。
34.166181, 135.304299
105°
1993/09(★2019/05)

上の3枚の写真から高野西街道を400mほど東へ行ったところでは,変則的な五叉路になっている。右手の店では、たばこのほか、専売品だった塩、切手類も販売していたようだ。現在も建物は残っているが、店は2012年時点にすでに閉業していた。
34.163658, 135.308409
150°
1993/09(★2019/05)

上の写真の反対側を見たところ。「大西省三商店 ココ」とあるから、この立派なお宅も商家だったのか。それを除けば、現在もほとんど変わっていない。
34.163622, 135.308455
330°
1993/09(★2019/05)

国道370号線の新道と旧道(高野西街道)にはさまれた道。小学生の下校時刻だったようだ。
34.164916, 135.306694
315°
1993/09(★2019/05)

野上電気鉄道は貴志川に沿って走り、この動木駅は動木地区の南端にあった。1990年代とは思えない昔ながらの駅である。鉄道廃止後、線路敷は現在の国道370号線(新道)の一部に転用されている。奥の右から2軒目の日本家屋が健在なので、位置と方向が確認できた。
34.165156, 135.304976
330°
1993/09
2025年5月公開
Copyright © Takashi FUTAMURA