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森林鉄道やトロッコ探索の旅に欠かせないのが、国土地理院の5万分の1の地図であった。学生時代は、地図の東京・神保町の本屋に出入りして、片っ端から日本中の地図を繰って、軌道らしき路線を探していた。 当時の地図には、日本のあちこちに森林鉄道や鉱山鉄道らしき軌道が記入されていたものだった。 しかし、実際に行ってみると影も形もないことが多く、このときもあまり期待せずに、夕張線(当時)の楓(かえで)駅に降り立ったのだった。地図を見ながら舗装道路を歩くこと数分、突然か細いレールが目に入ってきたのである。 |
北海道夕張市 北炭 楓(かえで)炭鉱 訪問日: 1976年10月 |
まず目に飛び込んできたのは、木造の事務所らしき建物。そして、奥へと続くレールであった。 こぢんまりして、いい雰囲気である。思いがけない「発見」に、私はふらふらと引き込まれていくのであった。 |
トロッコは鉄製。周囲に人影はなく、朝のひんやりした空気の中で、何か夢を見ているような気分だった。 |
スノーシェッドの切れ目からも、中のトロッコが見える。 石炭も積んでいるようだし、どうやら稼働中の炭鉱だということがわかった。 |
さて、撮影の許可を得ようとあちこち覗くのだが、朝早いからなのだろうか、人っ子一人いない。 そこで、心の中で「お邪魔します」と言いながら、シェルターの中に入ってみた私である。 すると、そこには、たくさんの貨車にまじって、バッテリー機関車も置かれていた。 |
スノーシェッドの中は、まるで別世界のようだった。よく、夢のなかで、こんな迷路にまぎれこんだ覚えがあった。 |
2本の線路が交差するところには、サイドレール付きのこんな立派なダイヤモンドクロスが。 |
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