愛宕山といえば、港区のなかにある標高26mの“高山”である。かつては見晴らしがいい場所だったということで、この山の上から撮った古い写真をよく見たものだった。
その西側のふもとにあるのが虎ノ門や神谷町で、今ではビルが建ち並び、外資系の企業も多く集まっている。1980年代までは、そんなビルに交じって、古い看板建築の商家や板壁の民家がずいぶん残っていた。
当時は、このあたりには縁がなかったので、あまり写真を撮っていなかったのは残念である。愛宕トンネルを中心とした場所で撮った、数少ない写真を公開しよう。
*写真にポインタを置くかタップすると、同じ場所の2019年の写真が見られます。
大通りを背にして、愛宕山の方向を望む。突き当たりの竹内商店はすでになく、杉田玄白の墓がある栄閑院(猿寺)が直接見えるようになった。
左側にあった4軒の棟割長屋は、駐車場になっていた。下のさ-2枚の写真は、棟割長屋のアップ。破風の玄関が立派である。
1985/08(2019/02)
愛宕山の西側の縁に沿って走る道にも、古い民家が軒を連ねていた。右は天徳寺。マンションが建って東京タワーは見えなくなってしまった。
だが、画面ではわかりにくいものの、マンションの屋上の上に、ちらりと東京タワーの先端だけが見えている。
1985/08(2019/02)
愛宕山をくぐるトンネルの入口。付近には、看板建築の商家が並んでいた。向こうから2軒目の店は、看板に「清水商店」と記されている。
1985/08(2019/02)
*おまけ
大通りと並行した道に、21世紀まで奇跡的に残っていた板壁の木造民家群。この裏側にも何軒か並んでいた。
2019年2月現在、一番左の家(木の葉の陰)が残り,あとは駐車場になっている
2008/06
2019年2月公開