石巻線、仙石線 (1977年10月)
このときの東北旅行の帰りがけに、それまで乗ったことのなかった石巻線と仙石線に乗ろうと考えた。もっとも、例によって強行軍の連続だったので、移動中は寝ていることが多く、石巻線の写真は終点の女川駅で撮ったこの1枚のみ。
この駅は2011年3月11日に発生した東日本大震災の大津波によって流され、この1枚が貴重な記録になってしまった。
私鉄の宮城電気鉄道をルーツにもつ仙石線は、さまざまな面で東北地方の国鉄線として異色な存在だった。直流電化されていたため、当時走っていたのは首都圏からやってきた73系電車ばかり。しかも、色をうぐいす色に塗られていた。また、当時の始発駅だった仙台駅の仙石線乗り場は、東北本線の仙台駅から離れた場所に設置されていた。
左(小画面では上)の電車の方向板に書かれた「高城町-仙台」の「高城町」が、いかにも手書き。右の写真は「陸前原町」行き。
せっかくだからと仙石線に乗って出かけたのが本塩釜。当時まだ単線の地上駅だった。だが、いかにも昔の東京近郊の私鉄駅という雰囲気で、乗降客も多く賑わっていた。
右の写真は、写っている時計と時刻表を照合すると、仙台行きの特別快速が到着したところのようだ。本塩釜9時43分発で仙台までノンストップ。仙台着は10時ちょうどなので所要時間はわずか17分だ。
2023年5月公開
Copyright © Takashi FUTAMURA