上野駅 (1975年10月)
新幹線開業前の上野駅には、まだまだいろいろな列車が発着していたので、飽きずに写真を撮りにいっていた。とはいえ、単に車両の写真を撮るのはつまらない。地平ホームはもうすぐ姿を大きく変えるという話があったので、その雰囲気を残しておこうと思った。
左(小画面では上)は、17番線の特急「やまびこ」(左)と18番線の特急「ひばり」(右)。新しい特急型電車がボンネット型から貫通型に変化していっただけでなく、正面貫通ではないのにこうした平面顔になったのはちょっと抵抗があった。やはり、右(小画面では下)のようなボンネット型がいいなあ。製作に手間がかかるし、定員も少ないのだろうが。20番線で16時の発車を待つ特急「ひたち」、常磐線経由仙台行きである。
もう一つ、撮っておきたかったのがこの移動売店だ。地平ホームの20番線だ。前の写真で撮った特急「ひたち」の発車前である。売子さんは、右の写真に写っているように、年配の男性である。特急列車の発車を前に、ビールやおつまみ、お菓子、新聞が飛ぶように売れていた。
左の写真は高架ホームだ。10番線はたぶん常磐線・水郡線の急行「奥久慈」、右の11番線には常磐線の快速取手行きが発車を待っている。
右の写真は、地平ホームの13番線から撮った14番線に停車中の583系寝台特急電車。「ゆうづる」か「はくつる」だろう。
地平ホームには、電気機関車牽引の客車列車もしょっちゅう入線してきた。左はEF58(152号機)、右はEF62(25号機)。拡大してみると、EF62は重連のようである。
上野駅をあちこちめぐっていると、たまたま155系修学旅行電車が入ってきた。方向幕にも「修学旅行」と出ている。すでに修学旅行は新幹線に移行していた時期だから、不意を突かれて驚いた。ちなみに、私の高校の修学旅行は新幹線で京都・奈良だった。右は、EF58牽引の客車列車である。
当時の東北本線は、EF57牽引の客車列車がずいぶん残っていた。わざわざ時刻表を見なくても、いくらでも写すことができた。そんななかで出会った珍品機関車が、左のEF57の1号機である。1号機だけは、2基のパンタグラフが中央にある。右は地平ホームを発車する7号機。2号機以降はパンタグラフは正面にせりだしていて、それがEF57らしさを演出している。
2021年11月公開
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