< 前  67  次 >

夕張線、室蘭本線  (1975年3月)

追分駅の普通客車列車 南清水沢駅付近をゆく貨物列車


函館から夜行急行「すずらん4号」で苫小牧に明け方到着。そこで、始発の夕張線直通夕張・登川行きに乗車して、まだまだ蒸気機関車が大活躍している夕張方面に向かった。
 左(小画面では上)は、追分駅で見かけた蒸気機関車牽引の客車列車。室蘭本線には、まだこうした列車が残っていた。そして、夕張線ではまず沼ノ沢で降りて北炭真谷地炭鉱専用線を撮影。その後に、南清水沢に移動して右の写真を撮った。牽引しているのはD51の4号機。煙突とその後ろのドーム部分が一体となった、いわゆる「ナメクジ」と呼ばれる初期型である。ちなみに、夕張に着いたのは4月1日、夕張鉄道の最終日が3月31日だったので、それに間に合わなかったのは不覚であった。三菱大夕張鉄道は、次回の訪問で訪ねることになる。



ウトナイ湖畔をゆく客車列車


その日は、苫小牧の近く、ウトナイ湖畔にある公営ユースホステルに友人たちと宿泊した。ペアレントと呼ばれる管理人は、かなり個性の強い男性で印象に残っている。
 そして、翌朝の朝食後、庭から湖を眺めると、なんと対岸に室蘭本線の列車が見えるではないか。友人たちとしばしカメラを構えて待っていると、うまい具合に白鳥を手前に入れた構図で撮れた。機関車の白煙が、車両のシルエットを浮き立たせている。



苫小牧駅構内苫小牧駅のD51


夕張線、室蘭本線の撮影はこれで切り上げ、札幌を経由して道北に向かうことにした。私にとっては、蒸気機関車の写真を大量に撮るよりも、鉄道だけでなく、あちこちをまわってたくさん見るのが優先だったからである。その無謀な計画に付き合ってくれた友人たちは、本当にありがたい。
 さて、これは列車を待つ間に苫小牧駅でとった写真である。左は、これから乗車する札幌行きの列車が到着したところ。背後にD51が2両写り込んでいる。左には工業地帯の大煙突が見える。撮影名所で撮った写真ではなく、こんな寸景が今となっては懐かしく感じると同時に、価値があるように思える。右は、その2両のD51のうちの1両。いい光線具合で停まっていた。こちらは、前のナメクジとは違い、ドームがスパッと切れている戦時型の1149号機である。札幌では、札幌市電(近日公開)と開通まもない札幌市営地下鉄に乗った。



南小樽駅 小樽築港のキ700


こちらは、道北、道東をめぐってきた帰りに撮った写真である。左は、釧路発小樽行きの夜行普通客車列車「からまつ」の車内から撮った南小樽駅。終着駅まであと1駅。なかなか味わいのある駅だ。右は、確か小樽築港駅停車中に、たまたま窓から撮った除雪車(ジョルダン車)キ700形のキ709。同型車は以前米沢機関区でも撮っていた。東京に生まれ育った人間にとっては珍しい車両だった。



2021年3月公開


< 前ページ  67  次ページ >


■トップページ「蔵出し鉄道写真館」表紙■


Copyright © Takashi FUTAMURA