上野駅 (1974年3月~9月)
上野駅にも何かにつけて顔を出していた。もはや車両写真に飽き足らず、駅を利用する人びとの人間ドラマを撮ってみたいと大それた考えも持つようになっていた。そんな考えのもとで撮った1枚が左(小画面では上)。人びとが見上げる先には、中長距離列車の時刻表が掲げられている。
右(小画面では下)は、上野駅19番線で発車を待つボンネットタイプの特急「ひばり」。
こちらは同じ地平ホームの16番線で発車を待つ貫通型の485系「ひばり」。右(小画面では下)は、13番線だったか14番線だったか、東北本線の16時18分発福島行きの普通客車列車。発車ベルが鳴っているなか、乗客は懸命に走って乗り込もうとしている。最後尾が郵便車のため、一瞬間に合ったと思っても、さらに1両分走らなくてはならない。
冬になると、上野駅には雪をかぶった列車が到着して、東北の雰囲気を伝えてくれたものだった。とはいえ、東京の雪景色はまた格別である。元気いっぱいの高校生だったから、東京に雪が降るとカメラを持ってあちこちに撮りに行った。
この写真は、20番線に到着した客車列車。12系客車を牽引しているのはEF80である。常磐線の急行「十和田」か、臨時列車だろうか。
この日は、3月下旬になってからの大雪だった。奥羽本線のキハ181系特急「つばさ」も、雪のなかを20番線に到着した。
右(小画面では下)は、9月になってから夕刻の高架ホームで撮った人。ホームのベンチに座って、一心不乱に本を読んでいた。
2020年3月公開
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