山口県の大嶺(おおみね)に軌道があったことを知ったのは、やはり神田神保町の本屋で5万分の1の地図を探索(!?)していたときのことである。 雑誌でも見たことがなく、どんな軌道であるかという見当もつかないまま、1977年の九州旅行の帰りに立ち寄ったのであった。 まさか、このちょうど1年後に、 ちょっと古い鉄道のお話 の宮田さんが、こんなところに行っているとは……。やはり、かなりのヒマ人(だった)にちがない。 |
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インクラインのケーブルが引っかけてあった滑車→ |
所在地: 山口県美祢市 Mine City, Yamaguchi-ken. |
大嶺には、国鉄美祢(みね)線の南大嶺駅から、たった1駅間だけの支線がわかれており、ここを単行(1両)のディーゼルカーが往復していた。 炭鉱に向かう列車だから単行だったのかどうかは知らない。もっとも、大嶺の炭鉱もすでになく、この支線も1997年に廃止されてしまった。 |
駅から少し歩いていくと、ありました! すでにトロッコは走っていなかったけれど、家の軒先をかすめてレールが伸びているのは、なんともいい感じ。 ▼ |
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▲ さらに歩くと、橋もあった。 |
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どうやら、ここは機関車が貨車を引っ張る軌道ではなく、ケーブルを巻き上げて貨車を動かすという形式のものであることがわかった。同じようなものとしては、東京の奥多摩にある「奥多摩工業曳鉄線」が有名だ。 このしくみについては、さきに紹介した ちょっと古い鉄道のお話 のなかの「特集2 思い出話」の「大嶺炭鉱跡」にわかりやす~い絵がある。 それにしても、宮田さんとほとんど同じ地点で同じような写真を撮っているのは、一種の感動すら覚えるものである。 でも、私が行ったときには「番犬」がいなくて残念だった……。 |
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