私が浅草にある小学校に通っていた1968年、観音様の境内に突如として、鉄製の高い塔が建った。その名もスペースタワーといって、円柱状の長細い筒の周囲に展望台がついていて、それが回転しながら上昇していくというものである(上の写真の中央左)。 これが、変化のない毎日を過ごしていた下町の少年たちの好奇心をいたく刺激したことは、ご想像に難くないだろう。 一時はずいぶん人気を呼んだようだったが、しだいに飽きられ、しかも浅草寺の境内に無理やり建てたことでいろいろと批判もあったらしく、1973年にはあっというまに消えてしまった。 五重塔は、スペースタワーと入れ違いに建ったと思っていたのだが、上の写真には2つの塔が仲良く写っているのがわかる(五重塔の先端が左端近くにわずかに見える)。しかも、浅草松屋が、軍艦を思わせる古い姿のままである。 ところで、浅草のスペースタワーにやや遅れて、後楽園にも同じ形のタワーが建てられた(下の写真)。こちらのほうは、もう少し寿命が長く、1990年代なかばころまで使われていたそうな(いまでも、タワー自体は残っている)。 丸ノ内線の電車がきちんと写し込まれているのが、我ながらニクい。中央奥に見えるのが当時の後楽園球場。右手奥にちらりと見えるのが、現在は東京ドームとなっている旧・後楽園競輪場である。 |
■トップページ | 「とりあえず写真館」表紙に戻る■ |