いまや小樽といえば、寿司屋に観光バスが乗りつけるわ、石原裕次郎記念館はあるわという一大観光地である。でも、1970年代ころまでは、開拓時代の古い建物があるといった地味な観光地であったと思う。 このときも、駅を降りてから、ぶらぶらと海のほうに歩いていっただけだった。10分ほど歩いたところで目に入ってきたのは、運河のへりに倉庫が建ち並ぶ風景。なかなか趣があるとは感じたが、そのうちに写真を撮ったことも忘れていた。 高速道路建設のために運河の埋め立て計画が発表されたのは、それから何年かしてからのことである。反対運動が起きて大騒動になっていることを新聞やテレビの報道で知り、もう一度写真のスライドファイルをひっくり返して探しあてたというわけである。 最終的には運河の一部が埋め立てられたものの、オリジナルとはだいぶ変わった形ではあれ、なんとか運河は残された。 ここに写っている運河(はしけが浮かんでいるが)の上には、いまでは猛スピードで車が行き交っている。 |
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