2度目の南インドは、マドラス(現・チェンナイ)からボンベイ(現・ムンバイ)まで半月かけてまわった。その最後のハイライトがデカン高原にあるカルナータカ州のハンピ。前日に、16時間かけて硬い座席の夜行バスに乗ってきた疲れも、ごつごつした岩山にヴィジャヤナガル朝の遺跡が散在する風景を見たとたんにふっとんでしまった。 遺跡のなかには村があり、ごく普通の人々が普通に生活をしている。そんなところをぶらぶら歩いていると、うしろからなにやら音が近づいてきた。振り返ると、こんな車が……。私は茫然としたままカメラを構えてシャッターを切ったのであった。