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当時はインターネットなどという便利なものもなく、どこで列車を撮ればいいのか見当もつかない。そこで、車内補充券を記念に買うついでに、車掌さんに聞いてみた。 「そうですねえ。楚原と上笠田の間が、景色はいいかなあ」 こうして楚原駅に降り立り、上笠田まで歩いた私たちであった。 |
確かに、この区間はなかなかの風景であった。正面に鈴鹿山脈の山々が見える。 「写真に撮るとどうかなあ」と車掌さんは自信なさげだったが、さすが餅は餅屋、車掌は車掌である。 |
西桑名では、待ち合わせ時間を利用して車庫を見学する。事務所で見学を申し出ると、ヘルメットを貸してくれた。 |
車庫は、西桑名駅の東側にあった。右手に、駅のホームが見える。 |
三重交通時代の生き残り、150形のサ155。マッチ箱のようなかわいい車両である。 |
やはり三重交通時代からの生き残りのサ137。のちに運転台が取り付けられたそうな。 |
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最初にも書いたように、私がここを訪れたのは大学1年生の春休みであった。8日間の旅のはじめに、ここと内部・八王子線に立ち寄り、そのまま夜行列車と待合室泊を駆使して山陽をめぐり、さらに九州を一周するという学生ならではの超ハードスケジュールであった。 とにかくたくさん見ることが優先。だから、時間の関係で終点の阿下喜までたどり着けなかったのが、返す返すも残念である。もっとも、この路線は近鉄による廃止を免れ、三岐鉄道によって営業が継続され、市民活動と一体となって積極経営が行われているのは喜ばしい限りである。なるべく早く再訪したいものだ。 |
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